期間:2014/4~2019/3
国立大学法人 三重大学 工学部 情報工学科で1年生(はじめてのプログラミング)と3年生(Web開発関連)向けに上記の期間授業を行いました。
1年生向け / 情報工学概論
入学したての4~5月に90分×4回でMIT Scratchを使用し下記の授業をしました。
- Week01: プログラムの基礎1
Scratchの基本操作。はじめてのプログラム:型、ステートメント、条件文、繰り返し。 - Week02: プログラムの基礎2
はじめてのプログラム:変数/配列、ユーザ定義関数。簡単なプログラムを自分で考え、作る。 - Week03: 個人評価、グループで作品作成
グループ内でプレゼンテーションを行う。相互評価、グループで作品を一つ選び改造しあう(リミックス) - Week04: グループ作品評価
グループ間評価。今後4年間で学ぶこと。
情報工学科は情報工学の専門学科ですが、入学したての8~9割はプログラミング未経験者です(今後は変わっていくとは思います)。この授業を始めるまでは学生にとってCが最初のプログラム言語だったのですが、未経験者には分かりにくかったため、色々あってScratchを使った授業をやらせて貰うことになりました。この講義とは並行して従来のCによる授業も行われていたため、その辺りと連携をとり とにかく「手を使って動くもの」を作ってもらう→コンピュータによるモノづくりは楽しい! を(個人的な)目標に授業を作りました。
Cでは「楽しいものができる」までに時間がかかりますが、Scratchだと短時間で考えているものを動くものにすることができ、Scratchの基本機能(リミックス)を使用したグループワークで初対面のメンバー同士で交流もでき、それなりに楽しく授業を受けてもらえたようです。4・5月の新入生の授業に対するモチベーションは非常に高く、最後のグループワークでは毎年異なった作品が見られ、やっていて楽しかったです。
詳細:
https://syllabus.mie-u.ac.jp/syllabus/2018/?action=display&id=887(シラバス)
3年生向け(マルチメディア・コンテンツ製作学)
3年生後期の選択科目。2.5時間×15週でWebに関する全般知識に関する下記の授業をしました。
- Week1: ガイダンス、作品作成1
- Week2: レイアウトデザイン1
近接・整列・反復・コントラスト - Week3: レイアウトデザイン2
カラー・UI/UX - Week4: レイアウトデザイン3
タイポグラフィ・作品作成2・グループ内発表/評価 - Week5: Web作成1
HTMLの基本 - Week6: Web作成2
スタイルシートの基本 - Week7: Web作成3
JavaScriptの基本 - Week8: サーバ構築
仮想化技術、コンテナ型仮想化技術(docker) - Week9: WEBを支える技術
HTTP/ヘッダ/メソッド/XML/JSON - Week10: WEBを支える技術2
ステータスコード、メソッド、クエリ文字列、PHPの基礎 - Week11: WEBを支える技術3
API、Cookieなど - Week12: コンテンツ製作1
Webサービスの作成 - Week13: コンテンツ製作2
- Week14: コンテンツ製作3
- Week15: グループ内発表/評価
情報工学科では2014年までWebに関する専門知識を学ぶ講義がありませんでした(2020年からは再び無くなってしまいましたが)。学生の就職先の多くはメーカー系でしたが、自分がWeb関連の仕事をしていたこともあり サーバ・Web系の講義が全く無い事は寂しく思っていたところ、色々あって 授業をやらせて貰うことになりました。
Webだけに寄せるのも面白くなかったため、今後 他の分野にも活かせると考え 技術者の為のレイアウトデザイン等も入れ、Web全般の知識を学べる授業を作りました。基本は実習中心で最後の4週はWebサービスを一つ作ってもらいます。自分のアイデアを入れたWebサービスはモチベーション高く取り組んでもらえ(もちろん学生によりますが)、見ている方も毎年異なった作品が出てくるのは面白かったです。
学生からの評判も良かったのですが、2019年の工学部の改組により授業そのものが無くなってしまいました。残念。
詳細:
https://syllabus.mie-u.ac.jp/syllabus/2018/?action=display&id=20543(シラバス)